全附P連 第16回全国大会出席のご報告⑤
- 役員会
- 10月6日
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全附属P連 2日目 基調講演 美馬のゆり氏 「子どもたちとAIの時代を生きる」参加報告
AI技術が急速に進化し、社会構造や人々の生活が大きく変わっていく中で、子どもたちがどのように未来を生き抜き、どのような能力を育むべきか、そして保護者が果たすべき役割について深く考察する示唆に富んだ内容でした。
情報工学、教育学、認知心理学といった多様な研究成果に基づいた以下の6つの視点から、我々聴講者は気付きを得られました。
1. AI時代の社会変化と求められる能力:
現代ではAIの仕組みを理解し、その長所短所を見極め、AIをツールとして使いこなす能力
PCリテラシーに留まらず、情報システムや社会制度を自らデザインする能力
2. 創造力と共感力の重要性:
AIが高度な計算や情報処理を代行する時代だからこそ、人間ならではの「創造力」と、多様な他者を理解し尊重する「共感力」が強みとなる
AIにはできない、人間だからこそ持ち得る力を育むことが重要
3. 柔軟な学びの姿勢Upskillingの提唱:
単に知識を広げるLearning だけでなく、常に学び続け、自らをアップデートしていくUpskillingが重要
自ら積極的に学びを深めることは、絶えず変化する社会に適応していく上で不可欠な姿勢である
4. AIのリスクとリテラシー教育:
AIは過去のデータに基づいて答えを導き出すため、データに含まれるバイアスをそのまま引き継いでしまうリスクがあることを理解する
AIにより情報の多様性が損なわれ、偏った情報に触れる機会が増える可能性があることを理解する
AIが提示する情報を鵜呑みにせず、立ち止まって疑問を持つ「AIリテラシー」の育成が極めて重要
5. 家庭でできる実践:
子どもたちがAI時代を生き抜くために、家庭でできることとして、時事問題、特に世界の出来事について親子で話し合うこと
世界の多様な考え方や文化、そして直面する問題を知ることで、共感力や多角的な視点を養うことができる
AIリテラシーや共感力といった、学校教育だけではカバーしきれない深い学びが、家庭での親子間の対話から生まれること
6. AIの光と影、我々へのメッセージ:
AIがもたらす利便性や可能性を享受しつつも、それが持つリスク(バイアス、思考機会の奪取など)から目を背けないこと
AIを使うか使わないかという議論以前に、まず「考える力」を育むこと
「何が大切で、どんな社会を創りたいのか」を常に問い続けること
AI賛美やAIへの過度な警鐘ではなく、その両面を理解した上で、人間がどう主体的に関わっていくべきかというバランスの取れた視点を持つこと
美馬のゆりさんの講演は、AI時代を生きる子どもたち、彼らを育む大人たちにとって、人間として豊かな社会を築いていくための、未来を見据えた具体的で実践的なヒントを多く含んだ有意義な内容でした。
副会長 2年 小出 真

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